Don't look at the carpet

映画や本について取り留めのない話をしています。ネタバレ有り。

Red Hood and the Outlaws vol.1 (Rebirth)

 

 

Red Hood and the Outlaws Vol. 1: Dark Trinity (Rebirth)

Red Hood and the Outlaws Vol. 1: Dark Trinity (Rebirth) 

 

  • 作者: Scott Lobdell,Dexter Soy
  • 出版社/メーカー: DC Comics
 

 

 

 ストーリーとアート共に素晴らしい作品。New52での同名シリーズも途中まで読んだのだが、何となく合わなくてやめてしまっていた。Rebirthからのシリーズでは、キャラクターを生かせたストーリーになっているという印象。

このDark Trinityのアークでは、ジェイソンとブルースの関係を軸として、ブラックマスクとの対決と、ジェイソンとアルテミスとビザロの出会いを描いている。

特に面白いと思ったのはキャラクターの描写。ジェイソンの心の状態をラザラスピットによる狂気とか、ファンタジー的なものとして描くのではなくて、わりと現実的な心の問題として描いている。アルテミスも意外なキャラクター。最初登場した時はパワーで押し切るタイプのあまり感情面に絡んでこないキャラクターかと思った。しかしブラックマスクに捕まった時も無暗やたらと暴れるタイプではないし、ジェイソンやビザロに対し少しずつ友情を見せ始めている。ビザロはForever Evilで見せたルーサーとの関わりとはまた違ったコミカルさや可愛らしさがある。

他にも、ビザロとコミュニケーション出来て落ち着かせられるのがジェイソンというところもよい。更にはジェイソンが二人をつなぐ役割もしている。アルテミスは最初「彼はモンスターだ」と言っていたが、ジェイソンがぬいぐるみを使ってビザロが暴れるのを止めた後は、認識を改めている様子が見られる。二人がパワーを持つキャラなので、常人であるジェイソンにも何か必要という面もあるとは思う。しかしその役割がコミュニケーションに関わるのが新鮮だ。なぜならこういう役割は女性にあてられることが多い。近いところでいうと映画『アベンジャーズ』2作目でブラックウィドウのみがハルクを止められる描写とか。またジェイソンとビザロの関係は親子か兄弟のようでもあり、それがこのアークでのもう一つの物語であるジェイソンとブルースの関係とうまくパラレルになって働いている。